「令和2年度病害虫発生予報10号」の発表について

農林水産省HPより

 

〇向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)については次のとおりです。
・野菜類では、たまねぎのべと病の発生が、近畿、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想されており、複数の県から注意報が発表されています。このほか、いちごのアブラムシ類等、病害虫が多くなると予想されている地域があるので注意してください。
・果樹や茶では、病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、春期の病害虫の発生を抑制することが重要です。感染落葉やり病部を除去し園外に持ち出すなど、適切に処理してください。また、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に、薬剤防除を的確に実施してください。

 

国の発生予察情報について

国は都道府県の協力の下、植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づき、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、気象、農作物の生育状況、有害動植物の発生調査結果等を分析し、有害動植物の発生予察及び防除対策に係る情報(発生予察情報)を提供しています。
本予報は、都道府県が提供する発生予察情報を取りまとめた情報になりますので、地域における情報の詳細は、都道府県病害虫防除所のホームページ等を参照してください。 

 

発生予察について
参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/index.html

 

都道府県病害虫防除所
参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/120105_boujosho.html

 

気象

気象庁の向こう1か月の予報(3月4日付け)では、気温は日本全国で高いと予想されています。また、降水量は沖縄・奄美では平年より少なく、北日本日本海側で平年並みか少なく、東日本太平洋側及び西日本では平年並みか多いと予想されています。

気象庁ホームページ
参照URL:http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html (外部リンク)

 

水稲

昨年、東海以西の広い地域でトビイロウンカによる坪枯れの被害が発生しました。本虫による被害発生が懸念される地域にあっては、効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施についても検討してください。

昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に実施し、健全な苗の育成に努めてください。
特に、いもち病では、一部の薬剤において感受性の低下が見られるので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に効果の高い薬剤を選定し、種子消毒を実施してください。
また、塩水選や温湯消毒といった物理的防除を実施する場合には、消毒効果を確実に得られるように、病害虫防除所等が示す手順・方法に沿って適切に実施してください。

 

・縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病であり、経卵伝染するため、本虫を対象とした防除を実施することが重要です。近年、本虫の発生が増加傾向にある地域では、越冬量を抑制するため、冬期間中にイネ科雑草の除去及び再生株(ひこばえ)のすき込みを行うことが効果的です。未実施の地域では速やかに実施してください。
また、近年、本ウイルスを保毒している本虫の割合が高まっている地域では、育苗箱施用剤による防除の実施についても検討してください。

・スクミリンゴカイ(ジャンボタニシ)は、昨年多発生となった地域では、多くの貝が越冬しているおそれがあります。今春の被害を抑えるため、田植え前に水口にネットを設置するとともに、水田内の発生が多い場合には石灰窒素の散布を実施してください。また、田植え時は薬剤散布を実施し、田植え後は水深を4cm(理想は1cm)以下に維持する浅水管理を実施してください。
なお、スクミリンゴガイは、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散することがあります。発生圃場で使用した後は泥をよく落としてから移動させるよう心がけてください。
農林水産省では、スクミリンゴガイの被害防止対策に関するマニュアルや動画などをホームページに掲載しています。詳しくは以下のURLをご覧ください。

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の被害防止対策について
参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/siryou2/sukumi/sukumi.html

 

野菜・花き等

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

いちご

・アザミウマ類の発生が、南関東、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されています。本虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。
なお、本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。また、農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討してください。

 

・アブラムシ類の発生が、南関東、四国及び北九州の一部の地域で多くなると予想されています。本虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。
なお、本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。また、農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討してください。

 

きゅうり

・コナジラミ類の発生が、北関東及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。本虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施してください。
また、本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討してください。

 

・べと病の発生が、北関東、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されています。本病は葉のみに発生し多湿条件で発生が助長され、多発すると葉が枯れ上がることにより減収につながります。施設栽培では、換気等により施設内の湿度管理を行うとともに、発生状況に応じて都道府県の発表する発生予察情報等を参考に適期に防除を実施してください。

たまねぎ

・べと病の発生が、近畿、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想されており、和歌山県、山口県、佐賀県及び長崎県から注意報が発表されています。1月下旬以降、東・西日本と沖縄・奄美で暖冬となり、越年り病株の初発時期が早く、り病株が増加するおそれがあります。このため、ほ場を見回り、り病株の抜き取りを実施するとともに、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に薬剤防除を的確に実施してください。

 

トマト

・コナジラミ類の発生が、東海、四国及び沖縄の一部の地域で多くなると予想されています。本虫の防除にあっては、きゅうり項のコナジラミ類の対応と同様に実施してください。

・灰色かび病の発生が、北関東及び北九州の一部の地域で多くなると予想されています。本病は多湿条件で発病が助長されることから、換気等により施設内の湿度管理に努めてください。また、発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、伝染源となるり病葉・り病果は早期に除去するとともに、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に効果の高い薬剤を選定し、散布むらがないよう的確に散布してください。

・葉かび病の発生が、北関東、東海及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。本病は多湿条件で発病が助長されることから、換気等により施設内の湿度管理に努めてください。また、発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、伝染源となるり病部は早期に除去するとともに、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に効果の高い薬剤を選定し、散布むらがないよう的確に散布してください。

 

果樹・茶

果樹や茶では、次期作における病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、春期の病害虫の発生を抑制することが重要です。
・なしりんごにあっては、黒星病菌による被害落葉が次期作の伝染源となるため、園外に持ち出し適切に処理してください。
・ももにあっては、開花期頃から出現するせん孔細菌病菌による春型枝病斑が伝染源となるため、園内を入念に観察し、春型枝病斑は見つけしだい剪除し、園外に持ち出し適切に処理してください。昨年発生が多かった地域にあっては、より防除効果を上げるため、地域一斉の取組を検討してください。
また、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に薬剤防除を的確に実施してください。

 

サツマイモ基腐病の防除対策について

本病は、平成30年度に宮崎県、鹿児島県及び沖縄県から、さつまいもの地際部から茎が枯れ、いもが腐る茎・根腐敗症状の原因菌の一つとして特殊報が発表され、令和2年度には、静岡県、岐阜県、高知県、福岡県、長崎県及び熊本県において、本病の発生が確認されたことから、特殊報が発表されました。
本病は感染したいもや苗がほ場内に持ち込まれることにより発生のまん延の可能性が高まるため、次期作には、健全種いもの確保、苗床の消毒等を実施することにより、健全な種苗を育成してください。また、本病のまん延防止には、り病株の早期発見が重要であることから、都道府県が発表する発生情報等を参考にしながら、ほ場観察を行ってください。なお、疑わしい症状を見つけた場合には、都道府県病害虫防除所等まで御連絡をお願いします。

病害虫防除に関する留意事項

一般

病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。

薬剤防除を実施する場合は、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同じ作用機作の薬剤の連続使用を避けてください。また、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。

 

露地栽培

引き続きほ場観察を行い、病害虫の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

 

施設栽培

・冬期間中、施設栽培では、加温により施設内の気温が高くなることで病害虫が発生しやすい環境になります。

・ウイルス病を媒介するアザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。引き続きほ場観察を行い、病害虫の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

・作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉及びり病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は、作物を枯死させ餌をなくすことで生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。

・施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉及びり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。

 

お問合せ先

農林水産省

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、麻野、宮木

代表:03-3502-8111(内線4562)

ダイヤルイン:03-3502-3382

FAX番号:03-3502-3386