「令和2年度 病害虫発生予報第4号」の発表について

農林水産省HPより

 

〇向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)については次のとおりです。

・水稲では、斑点米カメムシ類の発生が南東北、北陸、近畿、中国、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されています。

・野菜類では、ねぎのアザミウマ類の発生が北東北、南関東及び北九州の一部の地域で多くなると予想されています。

・果樹では、果樹カメムシ類の発生が、本州以南の一部の地域で多くなると予想されており、複数の県から注意報が発表されています。このほか、茶のハマキムシ類等、地域によっては多くなると予想されている病害虫があるので注意してください。

国の発生予察情報について

国は都道府県の協力の下、植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づき、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、気象、農作物の生育状況、有害動植物の発生調査結果等を分析し、有害動植物の発生予察及び防除対策に係る情報(発生予察情報)を提供しています。

本予報は、都道府県が提供する発生予察情報を取りまとめた情報になりますので、地域における情報の詳細は、都道府県病害虫防除所のホームページ等を参照してください。 

発生予察について

参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/index.html


都道府県病害虫防除所

参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/120105_boujosho.html

 

気象

気象庁の向こう1か月の予報(6月25日付け)では、平均気温は全国的に平年より高く、平均降水量は北日本で平年並みか平年より多いと予想されています。

気象庁ホームページ

参照URL:https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html (外部リンク)

 

水稲

水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
水稲 紋枯病 北陸、四国 北東北、近畿
水稲 斑点米カメムシ類 南東北、北陸、近畿、中国、四国、南九州 北海道、北東北、南関東、東海、北九州

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

 

いもち病(葉いもち)の発生が、北関東の一部の地域で多くなると予想されており、これまでに三重県から注意報が発表されています。向こう1か月の気象予報では、平均降水量が北日本で平年並みか平年より多くなると予想されており、断続的な降雨により水稲の葉面が湿潤となり、本病に感染しやすい好適な条件となるため、急激に発生するおそれがあります。特に、補植用取置き苗は、密生して本病が感染しやすい条件となっているので発生源になります。補植後は放置せずに早期の除去を徹底してください。

なお、今後の本田散布に際しては、一部の薬剤に対して耐性菌が発生しているので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に検討してください。

 

紋枯病の発生が、北陸及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。昨年、本病が多発した地域では本年も多発するおそれがあるため注意が必要です。本病は高温多湿条件で発生が助長され、病勢は少しずつ進展していきます。向こう1ヶ月予報では、気温は全国的に平年より高くなると予想されていることから、今後の発生状況に注意し、適期に防除を実施してください。

 

・セジロウンカの発生が、近畿及び中国の一部の地域で多くなると予想されています。本虫は、梅雨時期に中国大陸から飛来し、水田で増殖して水稲を加害します。水田の見回りの際には株元を注意深く観察し、株元に褐色の点又はすじ状の傷(産卵痕)が目立ち、成虫または幼虫の発生が多く見られる場合は、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に適期に防除を実施してください。

 

斑点米カメムシ類の発生が、南東北、北陸、近畿、中国、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されており、これまでに新潟県、福井県及び宮崎県から注意報が発表されています。本虫は、水田周辺の雑草に生息し、出穂期になると水田に侵入し穂を加害します。このため、水田周辺雑草の除草は本虫の発生量の抑制に効果的ですが、出穂期直前の除草は、本虫の水田への侵入を助長し被害を増加させるおそれがあるため、出穂期の10日前までに完了してください。

 

野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
きゅうり アザミウマ類 四国 南関東、甲信
アブラムシ類 北東北 南関東、甲信、四国
うどんこ病 北陸 北東北、南関東
すいか アブラムシ類 南関東 甲信、北陸
大豆 アブラムシ類 北陸、近畿
アブラナ科全般 コナガ 北海道 北東北、北陸、近畿
作物共通 オオタバコガ 北関東、北陸、東海、四国、南九州
シロイチモジヨトウ 北陸 近畿
ハスモンヨトウ 北関東、四国 近畿、南九州
きく アザミウマ類 東北、北陸、東海
アブラムシ類 甲信、北陸、東海
白さび病 南東北、北関東

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

ねぎ

・アザミウマ類の発生が、北東北、南関東及び北九州の一部の地域で多くなると予想されており、これまでに岩手県から注意報が発表されています。本虫は作物を加害するほか、多くの植物病原ウイルスを媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行うとともに、発生初期に防除を実施してください。

また、本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。

 

作物共通

・ハスモンヨトウの発生が、北関東及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。ほ場内の発生状況に注意しつつ、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に、適期に防除を実施してください。

 

果樹・茶

果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
なし アブラムシ類 南関東、北陸、中国
シンクイムシ類 関東、甲信、北陸、中国
ハダニ類 北東北、南関東 北陸、中国、北九州
黒星病 北関東 東北、近畿、南九州
もも シンクイムシ類 北陸、近畿
せん孔細菌病 南東北、甲信、東海
果樹共通 カメムシ類 東北、北関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、北九州 四国

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

果樹共通

・果樹カメムシ類の発生が、本州以南の一部の地域で多くなると予想されており、病害虫予報第3号の発表以降、福島県、栃木県、長野県、石川県、京都府、鳥取県及び広島県から注意報が発表されています。

本虫は、かんきつ、なし等の果実を加害します。今後、当年世代(越冬世代以降の世代)を中心に、夏期の薄暮時に餌を求めて園地に移動するようになります。本年の越冬世代の発生が多かった地域では次世代の発生量が多くなるので、特に注意が必要です。

本虫の飛来状況は地域や園地により異なるので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしつつ、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施してください。

 

なし

・ハダニ類の発生が、北東北及び南関東の一部の地域で多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施してください。

なお、本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。

 

もも

・せん孔細菌病の発生が、南東北、甲信及び東海の一部の地域で多くなると予想されており、岐阜県から注意報が発表されています。

本病は、前年の発生程度が翌年の春型枝病斑の発生に影響します。このことから、本年多発生となった園地にあっては、来年の発生を抑えるため、収穫後の秋期防除について、り病枝の切除や薬剤散布を実施してください。

 

・クワシロカイガラムシの発生が、東海の一部の地域で多くなると予想されています。本虫防除はふ化直後の幼虫を対象に実施することが効果的です。中切り後には伸長した枝に定着した雌成虫が多く産卵するため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に適期に確実に防除を実施してください。

 

・ハマキムシ類の発生が、東海及び近畿の一部の地域で多くなると予想されています。ハマキムシ類は、地域で発生する種類の違いにより薬剤の効果が異なることが知られています。また、幼虫が葉をつづり合わせてからでは薬剤がかかりにくくなるため、ふ化期~若齢幼虫期を対象とした薬剤散布が効果的です。都道府県から発表される発生予察情報等を参考に、適切な薬剤を選定し、地域の予察灯やフェロモントラップによる前世代成虫の誘殺最盛日の7日後程度を目安に防除を実施してください。

 

都道府県が発表した警報、注意報、特殊報等

令和2年6月10日以降、都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は以下のとおりです。

 

注意報

発表月日 都道府県 対象作物 対象病害虫
6月30日 福井県 水稲 斑点米カメムシ類

注)警報を発表するほどではありませんが、重要な病害虫が多発することが予測され、かつ、早めに防除措置を講じる必要がある場合に発表します。

ツマジロクサヨトウの発生状況について

本年は、6月30日現在、19県においてツマジロクサヨトウの発生が確認されております。
本虫の防除には、早期発見が重要であることから、都道府県が発表する発生情報等を参考にしながら、ほ場観察を行ってください。疑わしい虫を見つけた場合には、都道府県病害虫防除所又は最寄りの植物防疫所まで御連絡をお願いします。

農林水産省では、令和2年の本虫の発生状況や防除対策等について、ホームページに掲載しています。詳しくは以下のURLをご覧ください。

 

ツマジロクサヨトウに関する情報

参照URL:https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/tumajiro.html

 

病害虫防除に関する留意事項

一般

病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。

 

薬剤防除を実施する場合は、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同じ作用機作の薬剤の連続使用を避けてください。また、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択するとともに、散布対象外の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じてください。

 

露地栽培

引き続きほ場観察を行い、病害虫の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

 

施設栽培

ウイルス病を媒介するアザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類等の侵入や野外への飛び出しを防止するため、施設の開口部に防虫ネットを設置する等の対策を実施してください。また、雑草はこれら害虫の発生源となるので、施設内及び周辺の除草を定期的に行うよう努めてください。引き続きほ場観察を行い、病害虫の早期発見に努め、発生を認めた場合は適期に適切な防除を実施してください。

 

作物残さは、害虫の発生源となり、り病葉及びり病果は、病害の伝染源となります。栽培終了後は、作物を枯死させ餌をなくすことで生存虫を死滅させてから搬出し、土中に埋める等、確実に処分をしてください。

 

施設内が過湿になると、病害の発生が助長されるため、雨水が施設内に入らないように留意するとともに、過度なかん水を回避する、循環扇を設置する、換気を行う、作物の株間の通風を図る等により、施設内が過湿にならないように管理してください。また、病害の早期発見に努め、伝染源となるり病葉及びり病果は除去し、適期に薬剤防除を実施してください。

 

用語解説

(発生量(程度))

多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)

 

(参考)今後の発表予定日

第5号:7月15日(水曜日)
第6号:8月5日(水曜日)
第7号:9月9日(水曜日)
第8号:10月7日(水曜日)
第9号:11月11日(水曜日)
第10号:令和3年3月10日(水曜日)

お問合せ先

農林水産省

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、麻野、宮木

代表:03-3502-8111(内線4562)

ダイヤルイン:03-3502-3382

FAX番号:03-3502-3386