「令和元年度 病害虫発生予報第7号」の発表について

農林水産省HPより

〇向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)については次のとおりです。
水稲では、トビイロウンカの発生が、東海、近畿、中国、四国及び九州の一部の地域で多くなると予想されており、四国及び九州の一部では警報も発表されています。水田の見回りの際には株元を注意深く観察し、株元に成虫または幼虫を確認した場合には、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、速やかに防除を実施してください。このほか、斑点米カメムシ類等、地域によっては多くなると予想されている病害虫があるので注意してください。
野菜類では、シロイチモジヨトウの発生が、東海、近畿及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。ほ場の観察をきめ細かく行うとともに、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に適期に防除を実施してください。
果樹では、果樹カメムシ類の発生が、南関東、北陸、東海、近畿、四国び南九州の一部の地域で多くなると予想されています。本虫の飛来状況は園地により異なるので、園内を注意深く観察し、適期に防除を実施してください。このほか、もものせん孔細菌病等、地域によっては多くなると予想されている病害虫があるので注意してください。

〇ツマジロクサヨトウの発生が、7月3日に鹿児島県において初めて確認されて以降、複数県で確認されています。本虫の防除には、早期発見が重要であることから、疑わしい虫を見つけた場合は、都道府県病害虫防除所又は植物防疫所まで御連絡をお願いします。

発生予察情報について

国は都道府県の協力の下、植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づき、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、気象、農作物の生育状況、有害動植物の発生調査結果等を分析し、有害動植物の発生動向及び防除対策に係る情報として、発生予察情報を提供しています。
本予報に掲載している情報の詳細は、都道府県病害虫防除所のホームページ等を参照してください。

発生予察について
参照URL:http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/index.html
都道府県病害虫防除所

参照URL:http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/120105_boujosho.html

気象

気象庁の向こう1か月の予報(9月5日付け)では、気温は北日本で平年並みか高く、そのほかの地域で高くなると予想され、降水量は西日本を除き平年並みか多くなると予想されています。

気象庁ホームページ
参照URL:http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html (外部リンク)

水稲

水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
水稲 コブノメイガ 南関東、四国 東海、近畿
トビイロウンカ 東海、近畿、中国、四国、九州 南関東、北陸
ニカメイガ   東海、北陸
斑点米カメムシ類 北東北、中国、四国 南関東、北陸、東海、近畿
いもち病 東海、四国 南関東、北九州
紋枯病 四国 関東、東海、近畿、中国、北九州

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

・トビイロウンカの発生が、東海、近畿、中国、四国及び九州の一部の地域で多くなると予想されています。愛知県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県及び鹿児島県からは注意報が発表されており、愛媛県、福岡県、熊本県及び宮崎県からは警報が発表されています。
本虫は、梅雨時期に中国大陸から飛来し、今後の天候が高温少雨傾向になると水田内で急激に増殖し、一部に集中して稲を枯れさせ倒伏させる被害(坪枯れ)を引き起こします。また、近年では一部の薬剤に対し抵抗性を持つトビイロウンカの飛来が報告されています。
既に坪枯れとなった水田が見られ始めている地域もあることから、水田の見回りの際には株元を注意深く観察し、株元に成虫または幼虫を確認した場合には、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、速やかに防除を実施してください。

・斑点米カメムシ類の発生が、北東北、中国及び四国の一部の地域で多くなると予想されており、秋田県、山形県、鳥取県、山口県、愛媛県及び高知県からは注意報が発表されています。本虫は、水田周辺の雑草に生息し、出穂期以降になると水田に侵入し穂を加害します。近年は、移動性が高い飛翔性のアカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメの発生が多くなっています。水田の観察を行い、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に適期に防除を実施してください。

・コブノメイガの発生が、南関東及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。水田の観察を行い、本虫の発生状況に応じて適期に防除を実施してください。

・いもち病の発生が、東海及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。また、秋田県、福岡県及び長崎県では、注意報が発表されています。向こう1か月予報では、気温は全国的に高くなる、降水量は西日本を除き平年並みか多くなると予想されています。このため、本病の発生に助長的な気象条件ではありませんが、葉いもちの発生が確認されている水田において断続的な降雨がある場合には、急激に発生が拡大するおそれがあります。水田の観察を行い、本病の発生状況に応じて適期に防除を実施してください。

野菜・花き

野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
いちご アブラムシ類 北九州 北陸、東海
ハダニ類 北九州 関東、南九州
炭そ病 東海 南東北、南関東、近畿、四国、南九州
きゅうり アブラムシ類   南東北、北陸
うどんこ病   南関東、近畿、四国
大豆 吸実性カメムシ類 北陸 東北、南関東、近畿、中国、四国、九州
なす アザミウマ類   北陸、近畿
ハダニ類   南関東、北陸
ねぎ アザミウマ類 北東北、南関東 南東北、北関東、北陸
黒斑病 東海 北東北、南関東、北陸
野菜・花き共通 オオタバコガ 東海 東北、北関東、北陸、近畿
シロイチモジヨトウ 東海、近畿、四国 北東北、南関東、北陸
ハスモンヨトウ   北関東、北陸、東海、中国、南九州
きく アザミウマ類 南九州 北陸、東海
白さび病   南東北、東海、近畿

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

ねぎ

・アザミウマ類の発生が、北東北及び南関東の一部の地域で多くなると予想されています。本虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られています。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行うとともに、発生初期に防除を実施してください。
また、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に薬剤を選定するなど防除を的確に実施してください。

野菜・花き共通

・シロイチモジヨトウの発生が、東海、近畿及び四国の一部の地域で多くなると予想されてされており、京都府からは注意報が発表されています。幼虫の生育が進むと薬剤の効果が低下する場合があるので、ほ場の観察をきめ細かく行うとともに、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に適期に防除を実施してください。

果樹

果樹で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

作物名 病害虫名 発生が「多い」と予想される地域 発生が「やや多い」と予想される地域
 かき 炭そ病   北陸、東海、近畿
かんきつ ハダニ類 北陸、四国 東海、近畿
かいよう病 四国 東海、近畿、九州、沖縄
黒点病 四国 東海、近畿、九州、沖縄
そうか病 東海、四国、沖縄  
なし シンクイムシ類 北陸 北東北、関東
ハダニ類 北陸 北東北、南関東、近畿、九州
黒星病 南東北、北陸 北東北、近畿
ぶどう 晩腐病   甲信、北陸
べと病   北東北、南関東、甲信、北陸、近畿
もも ハダニ類 北陸 南東北
せん孔細菌病 南東北、甲信 北陸、東海、近畿
りんご シンクイムシ類   北東北、北関東
ハダニ類 北東北、北陸 南東北
黒星病 南東北 北海道、北東北
斑点落葉病 南東北、東海 北東北
果樹全般 果樹カメムシ類 南関東、北陸、東海、近畿、四国、南九州 東北、中国

注)表中の地域については、必ずしもその全域で発生が見られるものではありません。

かんきつ

・ハダニ類の発生が、北陸及び四国の一部の地域で多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施してください。
なお、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けてください。

・そうか病の発生が、東海、四国及び沖縄の一部の地域で多くなると予想されています。向こう1か月予報では、降水量は西日本を除き平年並みか多くなると予想されており、本病の発生に助長的な気象条件となることから、園内を注意深く観察し、り病部の除去し園外に持ち出し処分してください。

なし

・黒星病の発生が、南東北及び北陸の一部の地域で多くなると予想されており、福島県からは注意報が発表されています。園地を注意深く観察し、り病部の除去、薬剤散布等の防除を実施してください。
また、一部の薬剤に対して耐性菌が発生しているので、薬剤散布にあっては、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、的確に防除を実施してください。

もも

・せん孔細菌病の発生が、南東北及び甲信の一部の地域で多くなると予想されており、福島県、山梨県及び長野県からは注意報が発表されています。
本病は、前年の発生が多かった場合、翌年の春型枝病斑の発生が多くなります。本年多発生となった園地にあっては、来年の発生を抑えるため、収穫後に、り病枝の切除や薬剤散布による秋季防除を的確に実施してください。

りんご

・ハダニ類の発生が、北東北及び北陸の一部の地域で多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施してください。
なお、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすいので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けてください。

・黒星病の発生が、南東北の一部の地域で多くなると予想されています。園内を注意深く観察し、伝染源となるり病部の除去、薬剤散布等の防除を実施してください。
また、一部の薬剤に対して耐性菌が発生しています。薬剤散布にあっては、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、的確に実施してください。

・斑点落葉病の発生が、南東北及び東海の一部の地域で多くなると予想されています。向こう1か月予報では、気温は期間の前半で全国的に高くなると予想され、降水量は西日本を除き平年並みか多くなると予想されており、本病の発生に助長的な気象条件となることから、園地を注意深く観察し、適期に薬剤防除を実施してください。

果樹全般

・果樹カメムシ類の発生が、南関東、北陸、東海、近畿、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されており、岐阜県及び香川県からは注意報が発表されています。本虫は、主に薄暮時に餌を求めて園地に移動し、かんきつ、なし、かき等の果実を加害します。
本虫の飛来状況は地域や園地により異なるので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしつつ、園内を注意深く観察し、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施してください。

病害虫防除に関する留意事項

一般

・病害虫の防除を効果的に実施するためには、注意深くほ場観察を行うことにより、病害虫の発生状況を的確に把握することが必要となります。病害虫の発生は天候の影響を大きく受けるので、天気の推移に注意しつつ、各都道府県の防除指針に従い、適期に適切な防除を実施してください。

・薬剤防除を実施する場合は、農薬の使用基準を遵守して適切な薬剤を選択しつつ、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しないように、同じ作用機作の薬剤の連続使用を避けてください。また、周辺の農作物等に農薬が飛散しないよう対策を講じるとともに、蜜蜂への被害を防止するため、養蜂の関係者に農薬散布に関する情報の提供等に努めてください。

農薬による蜜蜂への影響について
参照URL:http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_mitubati/honeybee.html

用語解説

(発生量(程度))
多い(高い):やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い(やや高い):平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並:平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない(やや低い):平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない(低い):やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)

お問合せ先

農林水産省

消費・安全局植物防疫課

担当者:白石、渡邉、宮木

代表:03-3502-8111(内線4562)

ダイヤルイン:03-3502-3382

FAX番号:03-3502-3386