融雪等に伴う農作物等の被害防止技術対策に係る留意事項について

農林水産省HPより

農林水産省は、今後、雪解け時期を迎えるに当たり、融雪の遅れによる農作物の生育や農作業への影響が懸念されることから、地方農政局を通じて都道府県に対し、現場での指導の徹底が図られるよう、被害拡大防止のための通知を発出しました。

概要

今冬は、強い寒気が断続的に日本付近に流れ込んだため、全国的に気温がしばしば低くなり、1月中旬前半、1月下旬、2月上旬など寒気のピーク時には、大雪となった所や最深積雪の記録を更新した地点もありました。
今後、雪解け時期を迎えるに当たり、除雪中の事故並びに気温上昇に伴う雪崩、落雪、融雪水による河川の氾濫、土砂災害の発生等が懸念されるところです。また、特に積雪の多い地域においては、果樹の枝折れ、融雪水の停滞による湿害等の農作物被害の拡大と併せ、融雪の遅れによる農作物の生育や、農作業への影響が懸念されるところです。
こうした状況を踏まえ、今後の融雪促進及び融雪等に伴う農作物等の被害拡大防止を図るため、「農業技術の基本指針(平成29年改定)」(平成29年3月31日農林水産省ホームページ公表(http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/sisin29.html))を踏まえ、人命の保護を第一としつつ、特に下記事項について十分留意の上、指導の徹底を図ってください。

共通事項

1.人命の保護を第一として、複数人で作業を行う、降雪の被害により倒壊のおそれのある施設には近づかないなど、除雪等作業時の安全確保を徹底してください。
また、気象情報に留意するとともに、落雪のおそれのある屋根に登ったり、軒下は歩かないようにするなど、融雪が進行する状況下の事故の防止を徹底してください。
融雪に伴い、河川等が急激に増水することがあるので、そのような場合は近づかないようにしてください。
2.特に、平年の降雪量が少ない地域など、融雪対策の経験が少ない地域においては、今後の融雪促進及び融雪等に伴う農作物等の被害拡大防止に向けて徹底した指導を図ってください。
3.大雪に伴う被災施設の復旧に当たっては、農作物の栽培事情や資材の供給状況も考慮し、どの施設を優先的に復旧するか優先順位を決めて対応してください。

水稲

大雪により育苗施設に被害が生じ、地域の育苗施設のみでは苗の確保に支障を来すことが予想される場合には、近隣の共同育苗施設等からの供給を求めることができるように、あらかじめ地域間での苗の融通について協力体制づくりを進めてください。
融雪が遅れることが見込まれる地域においては、融雪促進剤を活用するなど、本年の気象動向に即した適期移植が図られるよう準備を進め、必要に応じて移植時期の調整を検討してください。その際、移植日や苗の老化、安全成熟晩限期(平均気温が12℃未満となり登熟停止すると仮定される時期)に留意してください。

麦類

積雪期間が長くなると雪腐病が発生しやすくなるため、融雪促進剤の散布により融雪を促進し、雪腐病の抑制・軽減に努めてください。
平年を上回る積雪量の地域が多く、今後の雪解けによる融雪水の停滞により、生育の遅れや枯死といった湿害が発生しやすくなることから、排水路の詰まり等の点検・補修、溝切り等により排水対策を徹底し、湿害の防止に努めてください。
11月中旬以降の低温により生育が遅れている地域が多いことから、融雪後は麦の生育状況、土壌の状態に留意し、適期に適量の追肥を行うなど生育の促進を図ってください。

野菜

育苗床の設置に当たっては、日照、風向等環境条件を十分に考慮するとともに、融雪促進剤の散布を行うほか、融雪が大幅に遅れることが見込まれる地域では除雪を行い、適期育苗に努めてください。
また、作付予定地等において平年よりも融雪が相当に遅延すると見込まれる場合には、除雪、融雪促進剤の散布等により融雪を促進するとともに、ほ場内からの排水を図ることにより、湿害の防止に努めてください。
さらに、地域の共同育苗施設等のみでは苗の円滑な供給に支障を来すことが予想される場合には、近隣の共同育苗施設等に応援を求めることができるように、あらかじめ地域間での苗の融通について協力体制づくりを進めてください。

果樹

融雪期にあっても気象情報に留意し、大雪等が見込まれる場合には「積雪及び寒害に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」(平成30年1月19日付け29生産第1824号生産局農業環境対策課長通知)に基づき、対策を進めるとともに、融雪期の対策に当たっては、特に以下の事項に留意してください。
(1)数日間の晴天が見込まれる時期を見計らい、融雪促進剤を散布してください。併せて、融雪水の排水対策を行い、湿害防止に努めてください。
(2)枝折れ等の被害状況を確認し、樹体の損傷の程度に応じて、ボルト等を使っての損傷部の癒合や改植を検討してください。また、損傷した樹体は病虫害の被害を受けやすいので、発生動向に十分注意し、適切な防除に努めてください。
(3)野そ害の防止のため、樹幹と周囲の雪に隙間が生じた際には、樹幹基部の空洞部への殺そ剤の投入や樹幹周囲の雪の踏み固めを実施してください。

花き

積雪期間が長くなると、露地栽培の冬春期花きの生育遅延が生じやすいこと及び芝生の雪腐病が発生しやすいことを踏まえ、必要に応じて融雪促進剤を使用することにより、融雪の促進を図るとともに、排水対策も併せて実施してください。

てん菜・ばれいしょ

播種や植え付け作業が早期に開始できるよう積極的に融雪の促進を図ってください。また、融雪水が停滞しやすい圃場では適切な排水対策に努めてください。

園芸施設

融雪期にあっても気象情報に留意し、大雪等が見込まれる場合には「積雪及び寒害に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」(平成30年1月19日付け29生産第1824号生産局農業環境対策課長通知)に基づき、対策を進めるとともに、融雪期の対策に当たっては、融雪水のハウス内への侵入を阻止するため、施設周囲の「額縁排水」に努めてください。また、施設各部の損傷や被覆資材の緩み等を点検し、保守を行ってください。
苗の確保について、地域の共同育苗施設等のみでは苗の円滑な供給に支障を来すことが予想される場合には、近隣の共同育苗施設等に応援を求めることができるように、あらかじめ地域間での苗の融通について協力体制づくりを進めてください。
また、積雪の多い地域では、積雪下の低日照条件で生育すると、温度が適切であっても軟弱な生育になり、病害に対する感受性が高くなる傾向があるため、ハウス周辺の除雪及び栽培施設内の温度を高め積雪の自然落下を促進するほか、軟弱な生育と判断された場合には、注意深く生育状況を観察し、低温障害に注意しつつ、必要に応じて施設内換気とともに薬剤の散布を実施してください。

<添付資料>
融雪等に伴う農作物等の被害防止技術対策に係る留意事項について(PDF : 146KB)

 

お問合せ先

農林水産省

生産局農業環境対策課

担当者:白垣、三村(全般)
代表:03-3502-8111(内線4760)
ダイヤルイン:03-3593-6495
FAX:03-3502-0869

生産局園芸作物課

担当者:前田、仙波(野菜、果樹、花き、園芸施設)
代表:03-3502-8111(内線4825)
ダイヤルイン:03-6744-2113
FAX:03-3502-0889

生産局地域対策官

担当者:井上、矢野、白鳥(茶)
代表:03-3502-8111(内線4845)
ダイヤルイン:03-6744-2117
FAX:03-3502-4133