今月の園芸特産作物 8月 トマト
北陸農政局HPより
原産地と来歴
トマトの原産地はアンデス山脈の西側のペルー、エクアドル、ボリビアにかけての高原で、コロンブスの新大陸発見によりヨーロッパ各地へ伝わりました。当初は観賞用でしたが19世紀から食用にされるようになり、イタリアやギリシャ等で様々なトマト料理や加工品が作られるようになりました。
日本に伝わったのは江戸時代初期で当時は薬用又は観賞用として用いられていましたが、明治時代にアメリカから品種改良されたものが伝わってから食用にされるようになりました。
トマトの種類
トマトの種類は果実の大きさでは大玉トマト、中玉トマト(ミディトマト)、ミニトマトに分けられます。食味や用途別では、水分を抑えた栽培方法で糖度が非常に高いフルーツトマトや、酸味が強くしっかりした肉質で、加熱すると甘みや旨みが引き立つ調理用トマト等もあります。
トマトの生産状況
平成28年の全国のトマト作付面積は12千haで、出荷量は670千tとなっています。また、出荷量の上位5県は1位が熊本県125千t、2位が北海道54千t、3位が茨城県46千t、4位が愛知県44千t、5位が千葉県37千tとなっています。
北陸地方のトマト
○「越のルビー」
「越のルビー」は福井県立短期大学(現在の福井県立大学)で育成され平成4年に品種登録された、ミディトマト(大玉とミニトマトの中間の大きさ)です。「越のルビー」という名前は、その美しい色や形にちなんで、福井県出身の作家である津村節子さんが命名しました。
ビタミンCが大玉に比べ100g当たり約1.5倍も含まれ、糖度も7~8度(大玉トマトは4~6度)と高く、ほどよい酸味と甘さを兼ね備えたフルーツ感覚のトマトです。
福井県では、福井市、あわら市等で栽培されており、ジュースやトマトドレッシング等の加工品も販売されています。
トマトの選び方・保存方法
トマトを購入するときは、ヘタがみずみずしい緑色でピンとしていて、皮に艶があり、重量感のあるものを選びましょう。
完熟したトマトはポリ袋やパックのまま冷蔵庫の野菜室で保存可能ですが、青い部分が残っている未熟なトマトは貯蔵適温が15~25℃と高いので、冷蔵庫には入れずに常温で追熟させましょう。
栄養・機能性
トマトの赤い色の成分はリコピンで、有害な活性酸素を除去する抗酸化作用があります。また、コラーゲンの生成を促すビタミンCも豊富なため、美肌効果が期待できます。そのほか、体内のナトリウムの排出を促すカリウムも含まれています。トマトの酸味の主成分であるクエン酸は食欲を増進させる働きがありますので、暑い時期の食卓に積極的に取り入れたい野菜です。
出典:(独)農畜産業振興機構
お問合せ先
北陸農政局
生産部園芸特産課
担当者:流通指導官
代表:076-263-2161(内線3335)
ダイヤルイン:076-232-4314
FAX:076-232-5824